PL法対策の強い味方。各種安全規格に準拠!!小ロットで低価格&多言語対応を実現した警告ラベル専門販売サイト

  1. 警告ラベル.com
  2. “警告ラベルがわかる!” 安全規格講座 2020
  3. 第15回 警告ラベルと取扱説明書の関係性

「第15回 警告ラベルと取扱説明書の関係性」

2021年8月30日発行

第4回のリスク低減方策のステップ3では、「使用上の情報提供」として警告ラベルと取扱説明書があることを説明しました。警告ラベルで注意喚起をしているなら十分ではないかと思われるかもしれませんが、取扱説明書には、警告ラベルで示すことができない情報を補足する役割があります。また、第2回の残留リスクで述べたように、残留リスク情報をユーザーにきちんと提供することが求められていることもお伝えしました。最終回となる第15回では、取扱説明書に記載する内容として必要な項目や残留リスク情報について具体的に説明します。

 

取扱説明書に記載する内容

警告ラベルに関して、一般社団法人 日本工作機械工業会の「工作機械用警告ラベル設計ガイドライン」では、取扱説明書に以下の情報を記載することと定義されています。

工作機械用警告ラベル設計ガイドライン 13 取扱説明書
警告ラベルに関し,以下の情報を取扱説明書に記載すること。

(1) シグナルワードの種類とその意味
(2) シンボルのタイプとその意味
(3) 貼付け場所と警告ラベルの図
(4) 手配情報
- 機機械の使用環境や直接的な外力等によりラベルが脱落した場合や表示内容が読みにくくなった場合等,機械の使用者が同等のラベルを入手して貼り付けまたは交換が容易にできるよう,取扱説明書に警告ラベルの手配に関する情報,例えばラベルの型式や注文番号等を記載すること。

警告ラベルは、危険源が認識しやすく、危険回避行動ができる位置に貼ることができ、ユーザーに直接リスクを喚起することができます。ただし、表示スペースに制限があるため、シンプルな文字メッセージやシグナルワード、視覚的なシンボルマークなど、規格の内容に従って、簡潔にリスク内容を伝達することが求められます。そのため、警告ラベルだけでは示すことができないシグナルワードやシンボルマークが意味する内容を、きちんと取扱説明書で補足説明する必要があります。また、警告ラベルの貼り付け位置を示す図や警告ラベルの手配情報も合わせて記載します。警告ラベルの貼り付け位置を示す図は、リスクアセスメントの際に作成する残留リスクマップと一致させます。

 

残留リスク情報

第2回でも述べましたが、2012年4月1日に施行された労働安全衛生規則の改正により、メーカーからユーザーに残留リスク情報を提供することが努力義務となりました。残留リスク情報には、残留リスクマップと残留リスク一覧を用意する必要があります。ここでは、厚生労働省が示す「機械ユーザーへの機械危険情報の提供に関するガイドライン」に沿って、説明します。

■ 残留リスクマップ

残留リスクマップとは、「安全に機械を運用することにより労働災害を防止するため、機械メーカーが想定した、機械ユーザーが行うべき保護方策と関連する残留リスクに関する情報(機械ユーザーがリスクアセスメントを実施するために必要な情報および機械ユーザーが行う具体的な危険回避策)を、絵や図面等に示した文書」のことを指します。

残留リスクマップでは、残留リスク一覧に記載されている各リスク情報を、機械上の関連箇所と視覚的に結び付けた状態で記載します。

残留リスクマップは、取扱説明書の冒頭など、ユーザーが認識しやすい場所に記載します。また、残留リスクマップを単独の資料として用意する場合は、取扱説明書内に残留リスクマップを参照することの記載を加え、容易に閲覧できるような形で提供することが望ましいとされています。

■ 残留リスク一覧

残留リスク一覧とは、「安全に機械を運用することにより労働災害を防止するため、機械メーカーが想定した、機械ユーザーが行うべき保護方策と関連する残留リスクに関する情報(機械ユーザーがリスクアセスメントを実施するために必要な情報および機械ユーザーが行う具体的な危険回避策)を一覧にした、箇条書きまたは表の形態で掲載した文書」のことを指します。

残留リスク一覧は、保護方策が必要となる機械の運用段階、作業、作業に必要な資格・教育、危害の程度・内容、ユーザーが実施する保護方策、参照すべき取扱説明書などを一覧で記載します。

残留リスク一覧も残留リスクマップと同様に、取扱説明書の冒頭など、ユーザーが認識しやすい場所に記載します。また、残留リスク一覧を単独の資料として用意する場合は、取扱説明書内に残留リスク一覧を参照することの記載を加え、容易に閲覧できるような形で提供することが望ましいとされています。

当社では、『警告ラベル.com』だけではなく、取扱説明書の作成や翻訳、規格適合サポートなど、製品安全に関するトータルサポートを行っています。気になることがありましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。

(参考文献)

 

この連載記事は、お客さまの警告ラベルへの理解を深め、ご活用いただくためのものです。この内容に基づいて生じた事故や損害について、当社は一切の責任を負いません。あらかじめご了承ください。